2008年08月28日

『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』を観る(8/15)

【あらすじ】
 いくつかの大戦を経て、つかの間の平和を手に入れた時代。
かりそめの平和を実感するために、人々は「ショーとしての戦争」を求めた、そんな時代。

 カンナミ・ユーイチは兎離州(ウリス)基地に配属される。ユーイチには、その基地に配属される以前の記憶がない。ユーイチが知っているのは、自分が大人にならない子供〜キルドレであることと、戦闘機の操縦の仕方だけ。初めて乗るはずの機体は何故か体になじみ、その優れた戦闘能力は、すぐにユーイチをエースパイロットの座へと押し上げた。

 そんなユーイチを熱いまなざしで見つめるひとりの女性、基地の司令官、クサナギ・スイト。まるでずっと、彼を待ち続けていたかのようなスイトの視線に戸惑いながらも、ユーイチはスイトに惹かれてゆく。

 一方、基地を取り巻く戦況は日増しに厳しくなっていった。同僚パイロット、ユダガワ・アイズの死。ユダガワを墜としたのは、機首に黒豹のマークが描かれた“ティーチャー”と呼ばれるパイロット。彼は絶対に勝てない敵として大空に君臨する「大人の男」だった。“ティーチャー”の名を聞くやいなや脱兎の如く反撃に向かい、怪我を負って帰還するスイト。傷ついたスイトが握りしめたユーイチの手。ふたりは互いに激しく求め合っていく‥‥
(オフィシャルサイトはこちら

【原作】森博嗣
【監督】押井守
【声の出演】菊地凛子 加瀬亮 谷原章介
       安藤麻吹 榊原良子 栗山千明

【評点】50点
 この作品を観ていると冒頭からラスト近くまで、妙にひっかかる事があります。

 ひとつは「バランスの悪さ」。

 「これでもか!」という程、綺麗で動きのある3DCGで描かれた空戦シーン。
 普通のアニメ作品でも「平面的」と言われそうなキャラクターデサインと遠景(背景も空戦シーンのそれとは違い平板的)のカットを多用した動きの少ない日常シーン。
 こう書くと「メリハリのある演出」の様にも思えますが、もうひとつの「ひっかかる事」で、そう感じません。

 その、もうひとつは「流れの悪さ」。

 場面転換の唐突さ、場面転換の前と後との繋がりの希薄さ、そして『寸止め』。
これらが話の流れを著しく悪くしています。

 一例を挙げると、スイトがティーチャーに撃墜された後、ユーイチをゲストハウスに招く場面があります。「ふたりは互いに激しく求め合っていく」と書きましたが、実のところそんな描写はありません。
それを匂わせる展開ではありますが、

遥か前の場面で『寸止め』→翌日かどうかも怪しい基地の日常に場面転換。

こんな具合です。流れ悪いでしょ?


 全編を通してこんなトーン。なので非常に居心地の悪い状態(ともすれば退屈)が続きます。
しかし、作品の世界観、特にキルドレの置かれた状況が明らかになるにつれて、

「この居心地の悪い演出はキルドレの本質を描写する為ではないか?」

とも思えてきます。
(「キルドレの本質」云々についてはネタバレになるので詳しく言えませんが、一言で言うなら「『繰り返される日常』が醸し出す居心地の悪さ」でしょうか)
 そういう意味では深い作品とも言えますが、個人的にはエンタテイメント性を犠牲にしてまで、この様な演出をしていいものか疑問が残ります。
(それくらい中盤は観るのが辛かった)

 あとねぇ、最後の最後でキルドレについて語っちゃったのはなぁ‥‥。それまでの演出台なしやん。
ほんと、

 監督の悪い癖。


 キャストについては菊地凛子は声の雰囲気等を考えると、ミスキャストのような気がします。ただ巷で言われている「セリフ棒読み」という批判はどうなんだろ?
確かに棒読みっぽいけど、作品全体の演出を考えると、この棒読みも監督の演出じゃないかなぁ? だとしたらかわいそう。

 あと、やっぱり監督に恋愛は無理でしたね。やっぱり語っちゃったし。

 一見さんには辛い作品です、はい。
posted by TARGET at 22:43| Comment(0) | TrackBack(2) | 映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(2008/08/28)
Excerpt: 『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』 原題「THE SKY CRAWLERS」/2008年日本/121分 【監督】押井守 【製作】奥田誠治/石川光久 【原作】森博嗣『スカイ・クロラ』..
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