2007年12月28日

『レミーのおいしいレストラン』を観る(9/14)

【あらすじ】
 ここは、フランスの片田舎。ネズミのレミーは天才的な味覚と嗅覚の持ち主。いつの日か一流のシェフになることを夢見ていた。
愛読書は、偉大なる名シェフ、グストーの『誰でも名シェフ』。特に彼の「誰にでも料理は出来る」という言葉はレミーをいつも勇気づけていた。しかし、一族の長でもある父ジャンゴは人間の世界に足を踏み入れることを禁じる。
レミーは、食物の安全性をチェックする“毒味役”となっていた。
 ある日、レミーはスパイスを探しに忍び込んだキッチンのテレビでグストー死亡を知る。ショックで立ち尽くしたレミーは家の主に見つかってしまい、一族は暮らし慣れた家を逃げ出す。下水道の濁流に巻き込まれ、家族と離ればなれになってしまったレミーは、グストーの本を筏代わりに、見知らぬ場所にたどり着く。途方にくれるレミーが、慰めにグストーの本のページをめくると、目の前にグストーの幻が現れる。
「過去にばかり囚われていてはいけない。大切なのは未来だ」
彼に導かれるままレミーは屋根に駆け上がる。
 そこは憧れのパリ!
 目の前にはレミー憧れのグストーのレストラン!

 “グストー”の厨房は、まるで戦場。そんな時、現料理長のスキナーのもとを、亡き母レナーターの紹介状を手にしたリングイニという青年が訪れていた。何とか雑用係として採用されたリングイニだが、うっかり店の大事なスープを倒してしまう。その一部始終を見ていたレミーは「お前になら出来る」とグストーに背中を押され、夢中でスープの味を調える。その姿を目撃したリングイニ。一方スキナーは、リングイニがスープに手を加えたことを知り、激怒! クビを宣告するが、スープが大好評。リングイニはクビを免れる。

 クビは免れたものの、リングイニには致命的な短所があった。
全く料理が出来ないのだ。スキナーに捕まったレミーを始末するよう言い付けられたリングイニ。始末しに行く道すがら、思わず愚痴るリングイニを見つめるレミーの姿にリングイニはレミーが人間の言葉を理解している事に気付く。
レミーが料理をする姿を見ていたリングイニは、とんでもない事を思い付く。

「ふたりで協力して、パリ1番のシェフを目指すんだ!」

(オフィシャルHPはこちら


【監督・脚本】ブラッド・バード
【声の出演】パットン・オズワルド ルー・ロマーノ イアン・ホルム
      ブラッド・ギャレット ピーター・オトゥール


【評点】85点

 私は、ピクサー信者です。

 なんで、ちょっと割り引いて読んでね。

 まず、映像。
一番驚いたのは、そのスピード感。アクションが売りの作品ではないのに、観る側にスピードを感じさせるんですよ。特にレミーが脱兎の如く逃げ出すシーンなんか圧巻。ひょっとしたら『カーズ』よりメリハリが効いてる分、こっちの方が上かもしれない。
(もちろん、『ベクシル』なんか足元にも及ばない
 次に料理。正直、レストランで出されるフランス料理は美味そうかどうかは判りません(だって食べた事ないもん)。
でも、リングイネの住み処で作っていたオムレツは、トロ味感とか照り感とかがリアルで本当に美味そうだった。これがあったからこそ、料理という題材のアニメを正攻法で作れたんだと思います(『ミスター味っ子』は料理そのものでは勝負してないんですよね)。
細かいところでは、遠近感の表現。たいていのCGアニメでは、近くだろうと遠くだろうとハッキリクッキリ見せてしまう。遠近感を記号化して見せるセルアニメならいざしらず、リアル感が生命線のCGアニメでこれをやっちゃうと、遠近感が無くなって、リアル感が薄れてしまう気がするんですわ、私は。
その点、この作品は実写のカメラで撮っているみたいに、ピントを合わせているところはハッキリと、そこから離れたところは、ぼやけて見せています。こういう細かい点まで気配りをしているからクオリティが落ちないんでしょうね。

 ストーリーについては、ワクワク感あり、感動シーンありの、いつものピクサー節。ただ、少しとんとん拍子に行き過ぎて、キャラの成長を感じられないのは、マイナスかな。

 あと、今回の作品では「物を作る者と、それを批評する者との関係」について考えさせられました。

 馴れ合いとか、提灯批評は駄目。

「批判する為の批判」もまた然り。

でも、世の中にはそういうのが溢れてる。
「美味しいものを食べたい(良いものを観たい)」からこその批評である筈が、いつのまにか、それを見失っているのではないか?
 そんな問い掛けをしている様な気がします。私自身、その問い掛けに自信を持って答える事はできません。でも、「良いものを観たい」という意識だけは常に持っていよう、その事が答えに近付く第一歩だと私は思います。
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2007年12月09日

『バイオハザードV』を観る(11/23)

【あらすじ】
 あの惨劇から数年。T−ウィルスの感染は、世界中へと広がってしまったアンデッドに埋め尽くされた地上は砂漠と化し、わずかな生存者達が生き延びる為の資源も底をつこうとしていた。
その裏でアンブレラ社は「アリス計画」を始動。アイザック博士による、アリスのクローン実験が行われていた。
 一方、砂漠で、一人生き抜いてきたアリス。アンブレラ社の監視衛星に追跡されている事を知った彼女は単独行動をとっていた。自分の中で覚醒する驚異的なパワーに翻弄されながら‥‥。

 その頃、かつてアリスと行動を共にしていたカルロスは、新たな仲間クレア率いる武装集団にいた。アンデッドから逃れながら、荒れ果てたモーテルに辿り着いた一行は、そこで一夜を明かす事に。しかし、翌朝、凄まじい数のアンデッド・カラスが一行を襲う。犠牲を出しながらも必死に戦うカルロス達。そこへ、炎のサークルに包まれたアリスが現れる。猛烈な炎でカラスを一掃するアリス。しかし、カルロスとの再会を果たした彼女は、力尽き、その場に倒れ込んでしまう‥‥‥。
(オフィシャルHPはこちら


【監督】ラッセル・マルケイ
【出演】ミラ・ジョヴォヴィッチ オデット・フェール
    アリ・ラーター イアン・グレン


【評点】25点
 『バイオハザード』シリーズも、これで3作目。それまでのシリーズ作品を観ている方がいいと言うのはシリーズものの常とはいえ、ここまで一見さんに冷たい作品も珍しいです。
なにしろ、前二作を観ている私ですら、「こんな設定あったっけ?」と逡巡する場面があるくらい。もし、前作を観ていない人が、この作品を観たとしても、何が何だか分からなくなるのは想像に難くありません。

 それを割り引いたとしても、アリスと敵のパワーバランスが悪過ぎ。
とにかくアリスが強すぎて、敵の怖さや不気味さが感じられないし、安心して(?)観ていられるので、一向に盛り上がらない。これではアクション映画としても失格でしょう。


また、
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2007年11月21日

『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』を観る(7/27)

【あらすじ】
 ハリーポッターはホグワーツ魔法学校の五年生になる日を心待ちにしながら、長く孤独な夏を耐えていた。なにしろヴォルデモート卿と対面したあの日以来、ハリーに話し掛けてくる者は、誰一人いないのだ。ようやく一通の手紙が届いたが、それは、ホグワーツから除籍されるという通知だった。
除籍の理由はホグワーツ以外の場所で、しかも魔法の使えない‘マグル’の前で魔法を行使したこと。しかし、ハリーはディメンターから奇襲を受け、やむなく応戦した、いわば正当防衛なのだ。

 ハリーの自己弁護は魔法省の尋問会で行われた。魔法省のファッジ大臣はハリーの永久追放をもくろむが、ホグワーツのダンブルドア校長の尽力で無罪放免となる。ところがホグワーツに戻ったハリーは、居心地の悪さを感じる。どうやら魔法界ではヴォルデモート復活をハリーの作り話と信じ込んでいるらしい。

 ファッジはダンブルドアとホグワーツの生徒の動向を気にしてアンブリッジを新任教師として送り込む。アンブリッジは闇の魔術に対する防衛術の教師だが、彼女の教える防衛術では、闇の力に太刀打ち出来ない。ハリーは、ロンとハーマイオニーに説得され、校内の有志で‘ダンブルドア軍団’を結成し、闇の魔術から身を守る方法をレクチャーして、来るべき戦いに備えようと決意したのだが‥‥。
(オフィシャルサイトはこちら


【原作】J・K・ローリング
【監督】デイビッド・イェーツ
【出演】ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント エマ・ワトソン マイケル・ガンボン イメルダ・スタウントン


【評点】20点
 ハリーポッターシリーズも今回で5作目。今までの作品も決して良かったとは言えなかったけど、

 今作は最低の出来。

 まず、魔法省の立ち位置が中途半端。ヴォルデモート一派と反ハリーという意味では同じ立ち位置なのが、話の流れをややこしくしている。ヴォルデモートに操られているのなら、まぁ解るんだけど、自己保身と疑心暗鬼がその理由というのはあんまりだと個人的には思う。

 それでも、サラっと流す程度の描写ならまだいい。しかし、魔法省との絡みが作品の半分近くあるんだから、はっきり言ってうんざり。そんな枝葉末節より本筋のヴォルデモートとの絡みをもっと見せろよ!

 そんな枝葉末節の象徴がアンブリッジ先生。個性的だし、ある種の仇役だから力を入れたいのは解るけど、あれは演出過剰。
おかげで、他の脇役陣が霞む霞む。特にハリーの恋人の扱いは酷いよなぁ。ハリーもフォローしないし。人間性疑うよ。
で、話を引っかき回したアンブリッジ先生。さぞや溜飲を下げる退場をするかと思いきや、その退場シーンは脱力もの。

 作品の半分掛けてこれかよ!

 正直、本筋ではない魔法省云々の話をこんなに丁寧にする監督の意図が全く理解できません。

 だって、ヴォルデモートでさえ霞んでいるのだから。

 これで、次回以降ハリーとヴォルデモートの対決をやられてもなぁ‥‥。


【おまけ】
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2007年11月11日

『大統領暗殺』を観る(10/28)

【あらすじ】
 2007年10月19日、アメリカ合衆国第43代大統領ジョージ・W・ブッシュを乗せた専用機はシカゴに降り立つ。

 その日、演説が予定されていたシェラトン・ホテルまでの沿道は、一万人を越える抗議団体であふれかえっていた。デモ隊は反ブッシュを訴えるプラカードを掲げ、シュプレヒコールや罵声を浴びせ掛けていた。
一部ではデモ隊と警官の間で衝突も起こる中、大統領を乗せたリムジンはなんとかホテルに到着。大統領は演説を快調に進め、場内で喝采を浴びるが、ホテルの外ではデモ隊が更に数を増して大統領を待ち受けていた。

 大統領が演説を終えてリムジンに乗り込んで帰途に着こうとしたその瞬間、二発の銃弾が大統領に向かって放たれた。崩れ落ちる大統領と騒然とする現場。大統領狙撃の一報は瞬く間に臨時ニュースとして世界各地に広がっていく。急遽病院に運ばれた大統領だったが、医師団の必死の努力も空しく死去。世界に衝撃を与える。

 警察とFBIは総力を挙げて捜査を開始するが、困難を極める。やがて有力な情報から過激派デモ隊のリーダー、イラク戦争復員兵、イスラム教徒など容疑者は数人に絞られていった。それぞれに動機があり、事件当日現場付近で目撃されている。だが犯人として逮捕されたのは、シリア人のコンピュータ技術者だった・・・
(オフィシャルHPはこちら


【監督・脚本】ガブリエル・レンジ
【出演?】ジョージ・W・ブッシュ ディック・チェイニー


【評点】75点
 はじめに。
 この作品は擬似ドキュメンタリードラマです。観終わった最初の印象はNHK-BSの『海外ドキュメンタリー』を見ている感じ。
故に、娯楽性は爪の先程もありません
 それを踏まえて。

 これは恐ろしい作品です。

 タイトルからみると、

 「ブッシュ大統領が暗殺される様子を描いた作品」
を想像しがちですが、大統領暗殺はきっかけに過ぎず、むしろ、その後の混乱と予想される最悪のシナリオを提示することを目的としています。
実際、ブッシュ大統領にスポットが当たっているかというと、そうでもないし、暗殺までの周囲の状況(反ブッシュのデモ隊の描写等)は、少し誇張している印象を受けました。
 しかし、暗殺されてからの展開は背筋が寒くなります。

 とにかく早く犯人を逮捕しなければならないという事から

 不審者を片っ端から拘束したり、

 「イスラム系が犯人」という(半ば意図的な)先入観に沿って証拠集めをしたり、

 「早く」という、その心理的プレッシャーから、確実なものではない証拠を物的証拠として提示したり等々。

 特に最後の証拠に関するくだりはショックです。私達は指紋等の科学的証拠は絶対だという意識がありますが、このくだりは、科学的証拠といえども、人が関わっている限り、絶対というのは幻想に過ぎない、シナリオが出来上がっているのなら尚更、という盲点を浮き彫りにしています。

もし、裁判員制度になって、この映画の様な状況になったら、正確な判断が下せるだろうか?
という思いがよぎりました。

 ラスト近くになって、更に恐ろしいシナリオが展開します。国家というか権力者の

『自分に有利な状況なら、それが虚構であっても徹底的に利用し、必要なら虚構を捏造することをも厭わない。』

という、当然かもしれないけれど、知りたくない事実を、この作品は提示します。

 最終的に
ブッシュには任期を全うしてもらうのがベスト
という私を含めた反ブッシュ派には皮肉な結論を提示して、この作品は終わります。

 最初に言ったように、この作品には娯楽性はありません。しかし、だからこそ観るべき価値がある作品だと私は思います。
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2007年10月09日

『憑神』を観る(7/20)

【あらすじ】
 時は幕末。貧乏だが文武両道に秀で将来を嘱望されていました別所家次男・彦四郎。
裕福な井上家に婿養子に入ったまでは良かったんですが、とある事件をきっかけに離縁されてしまいます。で、実家に出戻り肩身の狭い居候生活。
 そんなある日、馴染みの蕎麦屋・甚平が、
「なんでも彦四郎様の御学友の榎本様は向島の三囲(みめぐり)稲荷にお参りした御利益で出世なさったって噂ですよ。旦那もお参りなさったらどうですかい?」
 しかし、榎本とは気心の知れた仲。そんなこと、榎本がする訳がないと彦四郎。その帰り、酔って転げ落ちた足元に、小さな祠。

「ええと、み・め・ぐ・り・い・な・り?」

 噂とはいえ、やはり気になる出世話。向島じゃないけど、きっと分社に違いないと、酔った勢いも手伝って手を合わせたのでございます。

 翌日、「伊勢屋」と名乗る福々しい男がやって参ります。そして料亭に繰り出し飲めや歌えの大盤振る舞い。さぞかし霊験あらたかな福の神だろうと大喜びの彦四郎。ところが、

「あたくし、貧乏神でございます。」

 はい?

 なんと、彦四郎がお参りしたのは、同じ「みめぐり」でも「三巡稲荷」。伊勢屋は、そこの霊験あらたかな貧乏神なのでした。
(公式HPはこちら


【原作】浅田次郎
【監督】降旗康男
【出演】妻夫木聡 西田敏行 赤井英和 森迫永依 夏木マリ
    佐々木蔵之介 香川照之 江口洋介


【評点】60点
 江戸落語の人情噺というのが全体的な印象です。
ただ、神様達が彦四郎の事を「あんたはいい人だから」と言って肩入れするんですよね。個人的には彦四郎は『いい人』というより『愚直な人』といった感が強かったので、少し違和感を感じました。

 とはいうものの、コミカルで楽しめる作品です。主役の妻夫木聡は可もなく不可もなくという感じですが、脇の演技が光ります。貧乏神役の西田敏行は楽しそうにかつ手堅く演じてますし、蕎麦屋の主人役の香川照之もいい。
特に佐々木蔵之介が自堕落に生きている様に見えて、その実生きるという事に対してある意味達観している彦四郎の兄を生き生きと演じています。
ただ、死神役の森迫永依はいただけません。俗にいう『子役の演技』で興ざめしてしまうんですよね。この部分さえなければ、もう少し評価が高くなったでしょう。

 まぁ、楽しめる作品ではありますし、肩の力を抜いて観て下さいな。
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2007年09月15日

『ベクシル −2077日本鎖国−』を観る(8/23)

【あらすじ】
 西暦2077年、『ハイテク鎖国』している日本に潜入したアメリカ特殊部隊「SWORD」隊員、ベクシルは変わり果てた日本の姿に驚愕する。
 観客も驚愕する。

 あまりにも拙い話の内容に。

(オフィシャルHPはこちら


【監督・脚本】曽利文彦
【声の出演】黒木メイサ 谷原章介 松雪泰子


【評点】5点
 よそ様のサイトでは、ベクシルの声の演技について酷評されていましたが、私はそんなに気になりませんでした。
 だって、

 作品の出来そのものが、それ以前だから。

 とにかく、設定と脚本に無理がありすぎて説得力が皆無。「設定は面白い」という評もあります。確かに日本鎖国というアイディアは面白いと思いますが、それを設定に練り上げるまでの過程で、説得力ある裏付けも観客を騙しきるハッタリも肉付けしなかった結果、

 単なる思い付きと語感のかっこよさだけで作った設定

にしか私には見えません。

 設定でこんな有様ですから、脚本は言わずもがな。「ツッコミ所満載」どころか「ツッコミ所しかない」ので、見ていて徒労感を覚える程です。
 特にラスト近くの展開は酷い。ラスボスはアミバ様以下のヘタレ(なぜ、こんな奴がこんな地位まで上り詰めたか、さっぱり解らない)だし、どこかで見た様なシーンの連続(しかも陳腐なものばかり)だし。そこいらの子供でもリテイクを出す様な内容。
それを臆面もなく出してくるあたり、監督はとんだカン違い野郎です。

 この作品が目玉にしている映像ですが、確かにメインキャラ部分のクオリティは高いと思います。
しかし、メイン以外に目を転じてみると、手抜きが目立ちます。その為、全体的にみると、そんなに驚くに値しないものになっているような気がします。
 あと、映像のセンスが『マトリックス』で止まってますね。もうモーションキャプチャだけ、っていうのでは古いでしょ。それにアクションシーンのBGMにダンスミュージックを使う事が「カッコイイ(Cool)」だなんてカン違いは、もういい加減にして欲しいですね。

 結論。

 今年のワースト確定。

 この監督、才能ないよ。
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2007年08月19日

『プレステージ』を観る(7/5)

【あらすじ】
 ガス灯が電灯に変わり、空想が現実となり、奇術が科学へと姿を変える19世紀末のロンドン。
 華麗で洗練されたパフォーマンスを得意とする「グレート・ダントン」ことロバート・アンジャーと、無骨だが天才的な想像力を持つ、トリックメイカー「THEプロフェッサー」ことアルフレッド・ボーデンは互いに尊敬しあい、その情熱のすべてを注いでイリュージョンの腕を競い合っていた。
 
 しかし、ある日アンジャーの妻が、水牢脱出マジックの失敗で帰らぬ人に。トリック中にほどけるはずだった縄を結んだのはボーデンだった。
 アンジャーは妻を死に導いたボーデンに復讐を誓い、ボーデンもまた、執拗に自分を追い詰めるアンジャーに憎しみを募らせていく。
 やがてボーデンは、舞台でのアンジャーの壮絶な死を目の当たりにすることに。翌日アンジャー殺しの犯人とされて逮捕されたのはボーデンだった。
 冤罪を主張するが聞き入れられない彼は、そこに恐るべきトリックを感じとる。これは、アンジャーが仕掛けた人生最大のイリュージョンではないか−。
(オフィシャルHPはこちら

【監督・脚本】クリストファー・ノーラン
【出演】ヒュー・ジャックマン クリスチャン・ベール
    マイケル・ケイン デビット・ボウイ


【評点】75点
 最初に、やたら宣伝されていたトリックですが、

 あれは反則。

 ただ、作っている側も十分に承知しているらしく、割合と早めにトリックについて示唆しています。
(承知していなかったのは宣伝担当だけ)

 むしろ、監督はそのトリックに行き着くまでの奇術師の『業』が持つ深い闇を描きたかったんではなかろうか、と私は感じました。
 『業』を描くという点で「仕掛けを考える才を持つボーデン」と「観客に魅せる才に長けたアンジャー」と二人は、うってつけだといえます。

 互いに自分にないものを持つ相手に対して、羨望の眼差しを向けつつも、スポットライトを浴びるのは自分だけだと思い、相手を完膚なきものまで叩き潰す事に血道を上げる、「虚栄心」「競争心」

 更に『アンジャーの妻の死』という出来事が「憎しみの連鎖」というスパイスとなって、『業』に歪んだ形をもたらしています。

 最終的に「そこまでやるか?」というところまで行っちゃう訳ですが、そういう『業』のもたらす狂気を丹念に描いています。
好き嫌いは別れるでしょうが、私は好きですねぇ。

 あと、伏線のしまいかたが秀逸。観た後に「あの時は、どうだったんだろう?」と考えさせるし、むしろ二回観た方が楽しめるんじゃないかなぁ。

ただ、
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2007年07月25日

『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』を観る(6/1)

【あらすじ】
 FBI捜査官のメスナーとカラザールは、過去に100件以上もの殺しを請け負ったと噂されるスパラッザの邸宅で張り込み中に、スパラッザの腹心の電話の盗聴に成功する。

「じいさんはイズラエルを殺すために、スウェーデン人を雇った。『イズラエルのハートが欲しい』と言ってる。俺達が先に誘拐して、身代金をせしめよう。」
 バディ・イズラエル、通称“エース”−ラスベガスのホテルのメインルームを常に満員する人気マジシャン。
彼はギャング達に気に入られ、裏社会に出入りしているうちに、自分ものし上がれると勘違いし、自前の組織を築き上げた。だが、しょせんは素人、それ故の彼の強引なやり方はラスベガスの裏社会に大混乱を巻き起こし、あげくに自身が逮捕されるというていたらく。

 FBI副長官のロックは、過去にFBI捜査官の殺害にも関わったと見られるスパラッザのこれまでの容疑の証拠を得る為、“エース”に司法取引を持ち掛ける。
“エース”が取引を呑めば、スパラッザに命を狙われる。一方、このままでは終身刑は確実−レイク・タホのホテルのペントハウスで身を隠す“エース”は、ぎりぎりの決断を迫られていた。自分に懸けられた100万ドル目当てに、最強の殺し屋達が近づいているとは知らずに…
(オフィシャルHPはこちら


【監督・脚本】ジョー・カーナハン
【出演】ベン・アフレック アンディ・ガルシア
    アリシア・キーズ レイ・リオッタ
    ジェレミー・ピヴェン ライアン・レイノルズ

【評点】65点
 カーナハン監督を知ったのは『NARC』。派手さはないものの(でも、暴力描写は手加減なしでしたが)、男の哀愁がせつなく描写されていた良作でした。
 さて、今作。前作の様な哀愁は陰を潜め、ド派手、かつ容赦のない撃ち合いが展開されます。
対戦車ライフルを撃ちまくるスナイパーなんてのがいるんだから推して知るべしでしょ?)

 集まってくる暗殺者達も、

 ◎中国マフィアを一瞬で潰した女暗殺者コンビ
 ◎拷問大好き凄腕傭兵
 ◎素顔を誰も知らない変装のプロ
 ◎チェーンソー、爆弾魔、トリガーハッピーのパンクトリオ
 ◎謎のスウェーデン人

…個性豊かというか、無茶苦茶というか。

 こんなクセになる連中を交通整理するだけでも大変なのに、伏線張りまくって、おまけにそれを上手下手はともかく回収しているのは立派。
…なんですが、それが作品のテンポを悪くしているのも事実。特にドンパチが始まるまでの前段が長くて、ドンパチ期待の人は、ここで挫折するかもしれません。

 とはいえ、ドンパチが始まってしまえば、その迫力は相当なもの。

 だって容赦ないもん。

 例えば、エレベーターの籠の中で銃突き付けあってたら、普通だったら膠着状態になるところ。
ところが、この作品じゃあ撃ち合っちゃう。でもって双方瀕死。この容赦なさを面白いと思うかで好き嫌いが別れると思います(個人的には大好き)。


余談ですが
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2007年07月04日

『スパイダーマン3』を観る(5/20)

 ニューヨーク。スパイダーマンとして市民から賛辞を浴びるピーター・パーカーに、ある日突然、謎の黒い液状生命体が取り憑き、その全身を黒く染めていく。黒いスパイダーマンとなったピーターは、そのスーツがもたらす新たなパワーに酔いしれるが、今まで感じる事のなかった怒りを制御することができない。彼に何が起こったのか。心まで黒く染まってしまったのか。

 慕っていたベン伯父さんを殺した犯人サンドマンへの復讐。スパイダーマンを父の仇と信じ、ニュー・ゴブリンへと姿を変えた親友ハリー・オズボーンとの決闘。未来を誓いあった恋人メリー・ジェーンとの心のすれ違い。悲しき運命の連鎖が、彼を究極の闘いへと導く。さらに想像を絶する最凶の敵ヴェノムが、スパイダーマンと彼が愛するすべてのものに襲い掛かる。
 そして、彼は「決意」する。
 最後まで闘い、守り続けると…。
(オフィシャルHPはこちら


【監督】サム・ライミ
【出演】トビー・マグワイア キルスティン・ダンスト
    ジェームズ・フランコ トーマス・ヘイデンチャーチ
    トファー・グレイス

【評点】55点
 観た直後の率直な感想というか想い。

 『そやから、MJとは別れろて言うたやん』

 今回もMJがスパイダーマンの足を引っ張りまくり。スパイダーマン最大の敵はMJやと思いますね、いやホンマ。

 作品の出来ですが、悪役を三人出した時点で詰め込み過ぎ。その反動で各エピソードの中身が薄い。その薄いエピソードが絡み合う、と言えば聞こえはいいですが、実際のところ関連性はあまりなくて、エピソードが途中でぶつ切りになっている印象を受けます。

 映像は確かに素晴らしいし、展開が速いのでジェットコースタームービーとして見れば及第点ですが、深みを求める作品ではありませんね。

 個人的にはダークサイドに堕ちたパーカーのイタい仕草がお気に入り。パーカーが洗練されてない純朴な青年(→ダークサイドに堕ちてもこの程度)というのがよく分かる、いいシーンだと思います。トビー・マグワイアも好演。



それにしても
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2007年06月17日

『バベル』を観る(5/11)

【あらすじ】
 リチャードは、妻のスーザンとモロッコを旅していた。ある哀しい出来事が原因で壊れかけた夫婦の絆を取り戻すため、まだ幼い息子と娘をメキシコ人の小守に託し、アメリカからやってきたのだ。山道を行く観光バスの中で、事件は起こった。どこからか放たれた一発の銃弾がスーザンの肩を撃ち抜いたのだ。
 あたりに病院はない。リチャードはバスを移動させ、スーザンをを医者がいる村へと運ぶが、流れ出る血を止める応急処置がやっとだった。リチャードが救助に来ないアメリカ政府に苛立つ間、徐々に事件は解明され、やがて一人の日本人男性に辿り着く。
 一発の銃弾は国境を越えて、孤独な魂を抱える人々をつなぎあわせていった―
 銃を手にいれたモロッコの山羊飼いの少年、銃の所有者である日本人男性、彼の聾唖の娘、そして小守の女がメキシコへと連れていった子供たち。
 はたして、生命と魂の危険にさらされた彼らの運命は−?
 (オフィシャルHPはこちら


【監督】アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
【出演】(モロッコ)ブラット・ピット ケイト・ブランシェット
    (メキシコ)アドリアナ・バラッザ
          ガエル・ガルシア・ベルナル
          エル・ファニング
    (東  京)役所広司 菊地凜子 二階堂智

【評点】40点
 正直なところ、観終わっての感想は

 『So what?』
 (それがどうした?)

でした。

 三つの物語が、どちらかというと瑣末な出来事のうえ、三つの関連性、特に東京の物語との関連が『一丁のライフル』だけ、という薄いもの。ドラマ性だけとってみれば凡庸な感じが否めません。

 じゃあ、テーマ性が優れているかというと、これがはっきりしない。三つの物語を場所、時間をバラバラにして順不同で再構成している難解なつくりの為、物語の把握に気を取られてしまいます。
『コミュニケーションの齟齬がもたらす悲劇』というのがテーマらしいのですが、事件の発端が「想像力の欠如」というコミュニケーション以前の話になっている等、提示の仕方が消極的で良く言えば「観客に解釈を委ねる」、悪く言えば「投げっぱなし」

 「コミュニケーション不足がテーマの作品がコミュニケーション不足に陥っている」

という、非常に皮肉な結果になっています。

 個人的には東京のエピソードが非常に不快に感じました。監督としては『退廃的な都市、東京』を表現したかったのでしょうが、そこだけをクローズアップして、これでもかと見せつけるのは、監督の意図が解っていても、気分のいいものではありません。
(この映画の明滅シーンで気分が悪くなったというニュースがありましたが、それまで『退廃的な都市、東京』を見せつけられて、トドメで明滅ですからねぇ)

 菊地凜子演じる聾唖の少女にしてもそう。自分の思いが伝えられない苛立ちは解らないでもないのですが、それがが全て性的衝動につながるというのは、理解に苦しみます。
巷で絶賛されている菊地凜子の演技も、エキセントリックな設定がそう見せるだけで、実際のところどうなんだか。

 絶賛している方もいるようですから、多分この映画は「おりこうさんが観る作品」なのでしょう。私は「お馬鹿な凡人」ですから(笑)。こんなもんでございます。




個人的考察(ネタバレあり)
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