2007年05月25日

『秒速5センチメートル』を観る(4/27)

【あらすじ】

第一話『桜花抄』
 東京の小学校に通う遠野貴樹(タカキ)と篠原明里(アカリ)は、好きなものが同じで、同じように相手の事が好き。常に一緒にいた二人だったが、小学校卒業と同時に、アカリの引越しが決まった。
 半年後、手紙のやりとりが始まるが、胸にはしこりが残されたまま。
 そして再び桜の季節を前にした中学一年の三学期、今度はタカキが鹿児島に転校することに。
 アカリに託す手紙を胸に、タカキは彼女が住む北関東の街へ向かう。

第二話『コスモナウト』
 未来というには遠すぎて、将来というには近すぎるこの先の事をうそぶき歩く帰り道。
 種子島―――夏。
 この島に暮らす高校三年の澄田花苗(カナエ)の心を今占めているのは、NASDAのロケット打ち上げでも、なかなか決まらない進路の事でもなく、中学二年の時に、東京から島に転校してきた遠野貴樹(タカキ)のこと。
 隣を歩き、話をしながらも彼方に感じられる、いちばん身近で遠い憧れ。
 ずっと続けてきたサーフィンで思いどおりにボードに立てたなら、その時は胸の内を伝えたい。
 乗りこなしたい波。乗り越えたい今。少しずつ涼しさを増しながら、島の夏が過ぎてゆく。

第三話『秒速5センチメートル』
 遠野貴樹(タカキ)は、子供の頃よりもくすんで見える東京の街にいる。
 会社を辞め、付き合ってきた女性に別れを告げられた彼の胸に込み上げる、忘れたと思っていたこと。
 篠原明里(アカリ)は、結婚を控え、実家で自分の荷物を片付けるため北関東の街にいる。
 そこで見つけたタカキ宛てに書いた手紙。懐かしく思い出されるもの。小さかった頃の大きな想い。
 それぞれが見た、時間、風景、場所、日々、人々――。


【原作・脚本・監督】新海誠
【音楽】天門
【声の出演】水橋研二 近藤好美 花村怜美 尾上綾華


【評点】65点
 相変わらず、情景の切り取り方は抜群に上手いし、話自体も「いつもの切ない新海節」なのですが、気になる点がありました。
 彼の作品を観ていて、いつも感じるのは「観ている者のパーソナルな部分に語りかける」という事です。
 で、今回はいつもにましてそれが顕著に顕れています。

 私の場合、第一話はものすごくくるものがありました。私自身、小学生の時分に二回学校を変わっていますし、当然の事ながら好きな女の子もいました。小学六年の時に「鉄道一人旅」をした経験もあります(もちろん、好きな女の子に会いに行く、とかではなく親戚の家に遊びに行く、というものでしたが)。
 ですから、「都会を離れるに従って駅間が長くなる」とか、「一人でいる事の淋しさは列車が止まっている時に感じる」というのが皮膚感覚で解る訳ですよ。だから、ものすごく心に響く。
 ところが、第二話は私の心には響くものがなかった。なぜなら私の高校時代はこういう体験はおろか、傍観することすらなかったからです。そりゃそうです、男女比約百対一、卒業後の進路の三割強が自衛隊の全寮制高校で灰色の青春時代を過ごしたのですから。
 まあ、私のような人間は希有な存在ですが、この作品のような原体験を持たない人は少なからずいる筈です。そういう人が、この作品を観た時にどう感じるか? おそらくは私が第二話で感じたであろう一種の疎外感を感じるのでは? と思う訳です。

 で、そういう人達を置き去りにする作品って映画としてどうなんだろう? 少なくとも、そういった人達を置き去りにしない努力は見せて欲しかったですね。

 最後に第三話について。この作品のテーマ曲『one more time,one more chance』のプロモーションビデオと言っても信じてしまう程、シンクロ率が高くなっていますが、その実、この作品の全てが凝縮しているような気がします。正直、第一話と第三話だけで言い尽くしている気も。第二話は蛇足だと私は思いますね。

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2007年04月18日

エレクションを観る(3/23)

【あらすじ】
構成員50000人を超える、香港で最大の組織〈和連勝会〉では、二年に一度、上級幹部によって新しい会長を選ぶ選挙が行われている。今回の候補は二人――冷静で組織に忠実、年長者を敬うロクと、短気で周囲との衝突も多いが、有無をいわせぬ強引な強さのあるディーだ。
世襲制で会長を選ぶ組織もあるなかで、公平に選挙制をとる〈和連勝会〉。しかし公正さが第一といっても、裏ではさまざまな策略が巡らせていた。ロクが縄張りの拡大を約束すると幹部に提案する一方で、ディーは、なりふり構わずに賄賂を使った買収工作を始めた。
結局、大幹部タンの「信頼に欠ける選挙など全く無意味だ」というディーを批判する一言が決め手となり、ロクが選挙に勝利する。
この知らせを耳にしたディーはすぐさま報復に出る。賄賂の額が少ないとディー派につかなかったロング・ガンと、彼に渡すべき賄賂を賭けに使い込んだサムを拉致し木箱に詰めて崖から突き落として重傷を負わせる。
さらには、現会長のチョイガイに向かって、会長に選ばれた者だけが手にできる〈竜頭棍〉をロクに渡すなと脅す。言うなりになったチョイガイだったが、混乱を怖れ、部下の運転手ミンに〈竜頭棍〉を中国本土・広州に運ばせてしまう…。
(オフィシャルHPはこちら

【監督】ジョニー・トー
【出演】レオン・カーファイ サイモン・ヤム
    ルイス・クー ウォン・ティンラム

【評点】70点
 香港犯罪組織の内部抗争を描いた本作品。こう書くと派手な銃撃戦を想像しますが、この作品にはそれが一切ありません。暴力的シーンは、素手であったり青龍刀であったり。正直地味ではありますが、「痛み」という点では、この方がくるものがあります。
 しかし、この作品の最大の魅力は男達が繰り広げる丁々発止のやり取り。男達が持つ空気、言葉、そしてさりげない仕草。その一つ一つが渋くてたまらない。いつのまにか作品に入り込んでしまう魔力を持っています。
 そしてラストシーン。この世界に属する者が持つ「逃れられない業」を私は感じたような気がします。

「男の持つやるせなさ」が魅力の作品。


 久々に堪能しました。


出演俳優について
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2007年03月11日

『ラッキーナンバー7』を観る(2/3)

【あらすじ】
 人気のない駐車場、一人の男が銃で撃たれて死んだ。
豪華な内装の部屋に入って来た三人の男。そのうちの一人が一瞬で自分の両脇に立っていた男を刺し、また目の前に座っていた男の顔面めがけて野球の硬球を思いきり投げ付け殺害した…
 スレブン・ケレブラはツイてなかった。失業し、アパートは取り壊しが決まり、恋人には裏切られ、強盗な鼻を折られ、友人のニック・フィッシヤーのアパートにやってきたばかり。ニックは不在、勝手にシャワーを浴びているところに向かいノワール部屋に住む検死官、リンジーが訪ねてくる。他愛もないやりとり。だが彼女の次に部屋を訪ねて来た二人の男にバスタオル一丁の姿で連行される。
 連れて行かれたのは街を仕切るボス、アンソニーのオフィス。アンソニーはニック・フィッシヤーに用があると言う。
 アンソニーは「自分はニック・フィッシヤーではない」と言うスレブンの言葉を無視し、「ニックには96000ドルの貸しがある。払えなければ敵の息子、イツザックを殺せ」と命令する。
 部屋に戻ったスレブンは再び別の男達に拉致される。連れて行かれたのは、さっき殺しを命令された敵ラビ・シュロモのオフィス。ラビもニックに金を貸していて、三日以内に返せと言う。一体どういうことだ? 訳の判らないままスレブンはとりあえず、男達の言葉に乗ることにする…
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【監督】ポール・マクギガン
【出演】ジョシュ・ハートネット ブルース・ウィリス
    ルーシー・リュー モーガン・フリーマン
    ベン・キングズレー


【評点】45点
 この作品、前半と後半とで物語の様相が一変します。例えるならば『問題編』と『解答編』といったところでしょうか。
 しかし、その二つがあまりにも掛け離れていて、全く別の作品を観ている感じがします。この手のどんでん返しが命綱の作品にとって、このような乖離は観るがわの「考える楽しみ」や「ワクワク感」を奪ってしまい、面白さが激減している様に私には思えます。
 あと、ブルース・ウィリス扮する殺し屋の行動の動機付けが陳腐と言うかなんと言うか…
 でも、話の要素のひとつひとつは、物凄く面白そうなんですよ。材料はいいのに調理の方法を間違えたという感じ。実にもったいない作品です。
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2007年01月11日

『パプリカ』を観る(1/2)

【あらすじ】
 精神医療総合研究所のサイコ・セラピスト、千葉敦子は天才科学者、時田とともに、他人の夢に入り込み精神治療を行う「DCミニ」の開発に携わっている。
一方敦子は所長からの依頼で、未完成のDCミニを使って患者の夢に入り込み、全く別の人格を持つ夢探偵“パプリカ”として極秘の治療に当たっていた。夢の中でクライアントは、彼女と行動することにより、問題の解決法を見出していく。
ある日DCミニのサンプルが盗まれ敦子らの目の前で所長に異変が起きる・・・。
(オフィシャルHPはこちら

【原作】筒井康隆
【監督】今敏
【声の出演】林原めぐみ 江守徹 掘勝之祐 
      古谷徹 大塚明夫 山寺宏一

【評点】80点
 いやぁ、面白かったです。
「虚構」と「現実」が交じり合った「混沌」を描くのが、今監督作品の特徴とも言えるのですが、映像イメージという点では今回が群を抜いていると思います。反面、物語の構成は弱いような気がします。と言うより監督は物語の構成にあまり重きを置いていない様な(笑)。
 しかし、物語を忘れるくらいのイメージの奔流。「イメージで物語を力ずくでねじ伏せた」という感じです。
特に繰り返し出てくる「誇大妄想患者の夢の行進(百鬼夜行)」は圧巻の一言。これ、最初に出てきた時は「わぁ、凄いなぁ」と思うんですね。ところが回を重ねるにつれ、イメージの圧力に観る側がが負けてしまう。最後の方は「頼むから、もう許して」という気分にさせられました。他人の夢を強制的に混入させるとこんな気分になるのかなぁ。

あと、「虚構(夢)」と「現実」の不安定感を表現した作品は数多くありますが、観る側はたいてい、この二つを区別して観る事が多いし、見分けのつく作品も多いです。ところが、この作品は千葉敦子とパプリカが同時に存在するシーンがあったりして、2つの見分けがつかなくて、そこがまた心地よい。私、監督の術中にはまりまくりです。

声優陣もいいです。古谷徹は優柔不断な役をやらしたらピカ1だし、大塚明夫の新しい面も見れたし、なにより掘勝之祐が結構情けないお爺さんの役をやっているのが新鮮で可笑しかったです。

物語の流れを重視する人には不向きな作品ですが、イメージの奔流に身を任せてみたい方は是非どうぞ。
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2006年12月31日

『硫黄島からの手紙』を観る(12/28)

【あらすじ】
 2006年、硫黄島。
 地中から発見された数百通もの手紙。それは61年前、この島で戦った男たちが、家族に宛てて書き残したものだった。届くことのなかった手紙に、彼らは何を託したのか――。

 戦況が悪化の一途をたどる1944年6月、ひとりの指揮官が硫黄島に降り立った。陸軍中将、栗林忠道。本土防衛の最後の砦とも言うべき硫黄島の命運はこの男に託される。
 着任早々、長年の場当たり的な作戦を変更し、部下に対する理不尽な体罰をも戒めた栗林との出会いは、硫黄島での日々に絶望を感じていた西郷に新たな希望を抱かせる。
 硫黄の臭気が立ち込める灼熱の島、食べ物も飲み水も満足にない過酷な状況で、栗林の指揮のもと掘り進められる地下要塞。島中に張り巡らせたこのトンネルこそ、米軍を迎え撃つ栗林の秘策だったのだ。
 1945年2月19日、ついにアメリカ軍が上陸を開始する。死こそ名誉とされる戦争の真っ只中にあって、栗林中将は兵士たちに「死ぬな」と命じた。最後の最後まで生き延びて、本土にいる家族の為に一日でも長くこの島を守り抜けと、と。

 61年ぶりに届く彼らからの手紙。そのひとりひとりの素顔から、硫黄島の心が明かされていく――。
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【監督】クリント・イーストウッド
【出演】渡辺謙 二宮和也 伊原剛志 加瀬亮 中村獅童

【評点】90点
 この作品を観ていて、つくづく思った事がある。

 「戦争映画に『泣き』の演出などいらない。」

 この作品でイーストウッドは、そこにあるものを淡々と撮り続けたという感じがする。なので、観ようによっては「物語の起伏がない平板な作品」と映るかもしれない。しかし、「そこにあるもの」の積み重ねだけで心に重くのしかかる感覚が生まれる。それほどまでに『戦争』というものは重いものだという事を意味しているのではないだろうか。

 そして、その『戦争』という題材に対して『泣き』の演出を入れるという事は、『感動』という安っぽい言葉で『戦争』そのものの姿を消してしまう事ではないかと。そして日本の戦争映画は、『泣き』の罠に陥っているのではないかと。なぜ、この作品を日本の監督が撮っていないのか。

 撮れる訳がない。

 監督だけではない、プロデューサーや脚本家、そして私たち観客も『泣き』を求めている事は、なにかというと『感動』を連呼する「感動の大安売り」という最近の状況を見れば・・・、悲しいかな一目瞭然である。

 この作品はイーストウッドの日本映画界に対する挑戦状である。また、『感動』映画にどっぷり浸かってしまった私たち日本の観客に対する挑戦状でもある。私たちは、この挑戦を受ける事ができるのだろうか?
作品の事なんにも話してないや
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2006年12月27日

『カオス −CHAOS−』を観る(12/21)

【あらすじ】
シアトルのグローバル銀行を強盗グループが襲撃、人質を捕って立てこもった。リーダーのローレンツは、ベテラン刑事コナーズを交渉人に指名。コナーズは謹慎処分の身だったが、新米刑事デッカーとコンビを組んで現場に復帰する。コナーズは強行突破を試みるが、その瞬間ビルは爆破され犯人たちは騒ぎに紛れて鮮やかに逃亡した。しかし、金庫からは現金も宝石類も何も盗まれていない・・・。
コナーズとデッカーはパズルのように不可解な謎の断片を手掛かりに真相を追う。果たして犯人たちの真の目的とは?
(オフィシャルHPはこちら

【監督・脚本】トニー・ギグリオ
【出演】ジェイスン・ステイサム ライアン・フィリップ ウェズリー・スナイプス

【評点】75点
 この作品、最初のうちはチェックしてなかったんですよ。でも、評判がなかなか良いので観に行ったのですが・・・

拾いもんでした。

 最初のうちはただの復讐譚かと思いましたが、そこから話が思わぬ方向に転がって行きます。で、この監督、観客のミスリードのやり方や『見せない』演出が上手い。なので観ている最中、常に「真相は?」と考えたり、疑心暗鬼に陥ったりと頭の中がグルグルします。それがまた心地いい。以前サミュエル・L・ジャクソンとケビン・スペイシーが共演した『交渉人』という私の大好きな作品がありましたが、頭の中グルグル感はそれに似ていますね。

で、ラストも『衝撃の』という程のインパクトはないものの、「そうきたか!」と膝をうってしまいます。でも、後から考えるとそこに至る伏線はきちんと張ってあって、その伏線を『見せない』ようにしていた事に気がつきます。ここらへんニクイねぇ。

こんな良作が大阪では天六だけなんて本当にもったいない。くっだらない恋愛映画は山程やるくせに。映画産業って、女性に支えられてるんですね・・・。
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2006年12月24日

『トゥモロー・ワールド』を観る(12/10)

【あらすじ】
 西暦2027年、人類にはすでに18年間子供が誕生していなかった。この地球を引き継ぐものは、いずれ途絶えてしまう・・・。エネルギー官僚のセオ(クライブ・オーウェン)は、人類の未来はおろか、自分の将来でさえ興味のない、絶望を生きる男。ある日彼は、ジュリアン(ジュリアン・ムーア)率いる地下組織FISHに拉致される。目的は《通行証》。彼らは極秘裏に《ある少女》をヒューマン・プロジェクトに引き渡すプランを企てていた。しかし、この少女こそが人類の未来を変える存在だという事を、セオは想像もしていなかった・・・。
(オフィシャルHPはこちら

【原作】P.D.ジェイムズ
【監督】アルフォンソ・キュアロン
【出演】クライブ・オーウェン ジュリアン・ムーア マイケル・ケイン
    キウェテル・イジョフォー クレア=ホープ・アシティ

 【評点】60点
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2006年12月18日

『デスノート the Last name』を観る(12/1)

【イントロダクション】

「そのノートに名前を書かれた人間は、死ぬ」


死神が地上に落とした『デスノート』を拾ったエリート大学生、夜神月はデスノートを使って世の中に野放しになっている凶悪犯を粛清し、自らの手で理想の世界を創りあげようと決意する。犯罪者が次々に謎の不審死を遂げるなか、人々の間で囁かれ始めた救世主「キラ」の存在。
一方、一連の「キラ事件」を解明するために現れた、ICPOの切り札、通称L。神がかり的な推理力でキラの正体に迫ろうとするLに対し、デスノートのルールを駆使し、知略を尽くして捜査網から逃れようとする月。

そして、2冊目のノートが舞い降りた・・・


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【原作】大場つぐみ 小畑健
【監督】金子修介
【出演】藤原竜也 松山ケンイチ 戸田恵梨香

【評点】65点
 いい映画とは思いますよ。
 でも、『SAW3』を観た後にこの作品を観ると、畳み掛けのテンポが悪く見えてしまって『SAW3』に軍配を上げてしまう訳ですよ、わたしは。
 特に第3のキラである高田清美のエピソードが邪魔。確かにあのトリックを実現させる為には必要なエピソードではありますが、その高田清美があまりにも打算的性格の類型的なキャラなので、ここでテンションが下がってテンポダウンしてしまうのですよ。
 あと、個人的な感想としてデスノートのルールには違反していないものの、「裏技」の連発(通称「有利ですから」攻撃)とか、「いつのまにそんなルールが?」攻撃にも少しウンザリ。

 とはいえ、月とLの知略ゲームは愉しかったです。特に松山ケンイチの人を喰った様な演技は出色。ヒットした理由がわかるわ。
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2006年12月06日

『SAW3』を観る(11/29)

【あらすじ】
「エリックではない・・・」
殺人現場に呼び出された女刑事ケリーは、ほっと胸をなで下ろした。
死体は行方不明となっていたエリック刑事ではなかったが、鎖に繋がれた死体は爆弾でバラバラに飛び散っていた。
また始まった?でも、ジグソウはもう動けないはず。しかも、今までのジグソウのパターンと違う・・・。
その日の夜、ケリーは拉致され、気が付くと、円い空洞状の地下室に監禁されていた。

「旦那と離婚してくれ」
愛人から告白されるリン。彼女は救急病棟の女医だ。この日も、交通事故で瀕死の子供を彼女の開胸手術のお陰で、一命を取り留める。
しかし、その手術によって過去の忌まわしい記憶を呼び起こされ、ロッカールームで悩み苦しむ彼女。
その背後に、黒い影が忍び寄る。

リンが目覚めたのは封鎖された廃工場だった。目の前には絶命寸前の男が横たわる。彼の名前はジグソウ。カルテには《末期脳腫瘍:手術不可能》と記載されている。
彼は弟子のアマンダを使い、リンにゲームのルールを伝える。
「これから1人の男に仕掛けるゲームが終わるまで、ジグソウを延命させよ。」
ジグソウの心臓が止まると、リンの首に巻かれた円状爆弾が爆発する――。

自動車のひき逃げで最愛の息子を亡くしたジェフは、何者かに拉致される。
彼が目覚めたのは、閉鎖された【食肉工場】の地下だった。
目の前にはテープレコーダー。
「さあ、ゲームをしよう」
ジグソウの仕組んだゲームがスタートした。
(オフィシャルHPはこちら

【原案】リー・ワネル ジェームズ・ワン
【脚本】リー・ワネル
【監督】ダーレン・リン・バウズマン
【出演】トビン・ベル ショウニー・スミス
    アンガス・マクファデン バハール・スーメキ

【評点】70点
 最初に断っておきますが、この点数には前提条件があります。

 『SAW』『SAW2』を観ている事が必須の作品です。

 続編もので「前作を観ていた方が良い」という作品は多々ありますが、「前作を観ていないなら観ない方がマシ」という作品はこれくらいしかないでしょう。

 こう言い切れてしまうのは、この作品で『SAW』『SAW2』の裏側の物語にスポットを当てているうえに、その物語が、この作品の最大の「伏線」になっているからです。まぁ、後付けなので「そんなんでええの?」というところもありますが。

 この作品では登場人物はジグソウのゲームで各々が持つ人間関係と感情の「総括」を迫られます。ですが、ゲームのルールがジグソウの「歪んだ論理」に基づいているのですから(いつもの事ですが)最初のうちは否定的な見方になります。でも、観ているうちに「歪んだ論理」に染められて行く自分に気が付くんですな。そこらへんの持って行き方やラストに至るまでの畳み掛け方の凄さ等の演出面は前作よりも上手くなっていると思います。

 ただ、インパクトとかアイデアの冴えというものが落ちて来ているのも確かで、そういった面を期待すると期待外れに終わってしまうかもしれません。良く言えば「垢抜けた」、悪く言えば「円くなった」というところでしょうか。

 ひとつ言える事は三作全部ひっくるめて『ゲーム』だったという事。最初から意図して作っている訳ではない作品群で、こういう作り方が出来るというのは一種の才能ですね。

あ、でも
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2006年11月27日

『ナチョ・リブレ 覆面の神様』を観る(11/18)

【あらすじ】
 幼くして宣教師だった両親と死に別れたイグナシオ(愛称ナチョ)はメキシコの修道院で育つ。大人になっても行き場のない彼は料理番として孤児たちの面倒を見ていたが、修道院の資金難ゆえに新鮮なサラダすら子どもたちに食べさせることができない。そこで、小さな頃から憧れだったプロレス“ルチャ・リブレ”のレスラーとなって賞金を稼ぐことを決意する。かくしてナチョは覆面とタイツの戦士となって闘いのリングへ向かう。
goo映画より引用・オフィシャルHPはこちら

【監督】ジャレッド・ヘス
【出演】ジャック・ブラック ピーター・ストーメア
    アナ・デ・ラ・レグエラ ヘクター・ヒメネス
    セサール・ゴンザレス

【評点】60点

 ジャック・ブラックは胡散臭い。

 どんなにシリアスな場面でも、【胡散臭い眼力】、【胡散臭いオーラ】を感じる事ができる(【胡散臭い特訓】もしていたなぁ)。本人はそう思っていないのかもしれないが、そう感じてしまうのだから仕方がない。
 だから、彼扮するナチョがいくら「子供の為に・・・」と言っても、こちら側は「下心あるんとちゃうのん?(実際、最初の動機は下心ありありだった)」と思ってしまう。そのギャップを楽しむ作品だと思う。それを楽しめない人は駄目だろうなぁ。

 一緒に観に行ったプロレスファンの鋼鉄サンボ氏の言によると、ナチョのようなルチャ・ドールは普通にいるらしく、「ルチャ・リブレの会場にタクシーで行ったら、そのタクシーの運転手が覆面かぶって会場に入って行った」という話があるくらい。
 なので、この作品の様な話は結構あるのかもしれない。しかし、ジャック・ブラックの【胡散臭いオーラ】がこの作品を【胡散臭い作品】と観てしまうのかもしれない。だとしたら、それはマイナスなのかも。

 あと、『スクール・オブ・ロック』で見せたジャック・ブラックの破天荒さが余り出ていないのも難点かと。とは言うものの、周りのメキシコ人キャストの存在感に霞んでしまった感もあり、そこのところは相殺しているのかなぁ。

 ナチョの相手となるルチャ・ドール達は本物らしく、「試合のシーンをうまく作っている」(鋼鉄サンボ氏談)。また、技のキレが素晴らしく一見の価値はあると思う。

 ナチョの負けっぷりも素晴らしいしね。
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